特徴
NRIの広報・PRの評価モデル
野村総合研究所(NRI)では、広告の効果測定において実績のある“シングルソース調査データ”を、広報・PR効果測定にも展開し評価いたします。
広報・PR効果の評価モデルについては、これまであまり定義されていないため、NRIのシングルソース調査の詳細に入る前に、評価モデルの概念を整理します。
これまで一般的に行われていたのは掲載量から広告費換算するものでしたが、新しいモデルでは、生活者が掲載された広報・PRに触れ、その結果商品やサービスへの意向、企業へのイメージなどの目標変数にどうような影響が出たのかを直接的に分析します。
これは、メディアへの接触と、顧客ステップを同じモニタに対して調査するシングルソースだからこそ実現できる手法であり、さらに、純広告による影響も取り除いて分析することができるのです。
調査の全体像は、広告効果測定と同じ手法で、同じ調査対象者に「メディアへの接触状況」と購入意向などの「顧客ステップ」を聴取します。
メディアへの接触状況を聞き続けるため、その期間に放送や掲載された、広報・PR記事への接触が正確に把握できます。さらにその前後での顧客ステップの変化をみることで「テレビPRに触れると、購入意向が高まるのか」「PR記事が掲載された雑誌を読むと、実際に購入しているか」など広報・PRの与えた影響が捉えられるのです。
“差分の差分”を用いた分析手法
分析手法については、広告効果測定の手法と全く同じものを利用します。
該当する広報・PRに触れた人々(接触群)と触れていない人々(非接触群)に分け、広報・PRの露出前後で顧客ステップがどの程度変化するかを比べます。
PRが放送されたある番組を見た人も、見ていない人も、事前の購入意向はほとんど変わりません。しかしながら、その番組を見ると購入意向は+8.9高まり、見ないと+0.3に留まっております。そのため、この番組で流れたPR施策は、(+8.9)-(+0.3)=+8.6 という効果があったと定義できるのです。
このように、PR施策の効果を、購入意向などへの効果で評価することができるため、放送時間や掲載面といった“量”だけではなく、取り上げられ方などの“質”も併せて評価することができるのです。
広報・PRと広告との比較
広報・PRと広告との比較広報・PR施策においても、テレビ番組や雑誌記事など、メディア別の違いはもちろん、純広告との比較もできますので、今回のコミュニケーションの全体像が同じ目標関数で比較することができます。
テレビPRは、朝の情報番組を中心によい取り上げられ方をしたため、非常に高い効果が見られました。一方、テレビCMは、効果はそこまで大きくなかったものの、半数の人に届けることができました。
この場合、リーチと効果を掛け算した総効果(全体への影響)としては、テレビPR、テレビCMともにそこまで大きな違いがないことがわかるのです。
広報・PR施策と広告施策のクロスメディア
広報・PR施策は、テレビCMと比較するのが目的ではありません。これらが重なることで、さらなる効果があるのかを分析します。
まず、接触の状況についてですが、テレビPR番組に接触した人のうち、2/3はテレビCMにも触れていることが分かります。
続いて、それぞれの象限において効果を分析します。先ほどテレビPR番組の効果が高いとご紹介しましたが、それを引っ張っているのは、テレビCMとも重なって接触している人たちであることが分かります。
このように、これまでは、広告とPRをわけて分析していたものが、同じ目標変数で分析することができ、トータルでの検証が可能となるのです。
最適なテレビ番組、雑誌の選定
広報・PR戦略を検討する際、かかせないのがどの番組やどの雑誌で、放送、掲載されるか、という点があります。
もちろん、取り上げられるかどうかは媒体側の判断ですので、広告主側でコントロールすることはできませんが、どういった取り上げ方をされると効果があるのかがわかれば、情報の提供方法にもヒントが得られるのです。
上のグラフは、横軸に放送秒数、縦軸にその番組に触れた人の購入意向の効果(差分の差分)を偏差値化して示しています。
放送秒数が長くなれば、購入意向に弱く相関しますが、番組別に大きく開きがあり、やはり取り上げ方などが左右することがわかります。
定点調査による分析
戦略的に展開するPR施策であれば、おおよその露出時期は想定できますが、おおよその時期は決まっているけど、どの日に放送・掲載されるかは、媒体社の判断であったり、突然、ネットで口コミが発生したり、それこそマイナスのニュースが急に流れることもあります。
もちろん、事後のみの調査から、PR記事に触れた、触れない、の差分で分析することもできますが、シングルソースの強みである、事前、事後で測ることはできません。
そのため、ほぼ1年中、どこで露出があってもカバーできるように、すべての調査回で基本データを取り続けておく、という使い方も可能です。
そうすれば、どんな出来事が起ころうとも、後から戻ってその効果を計測することもできますし、競合他社の突然の広報・PR施策に対しても、その影響を把握することが可能となるのです。
PRアワード受賞
この広報・PR効果測定サービスは、2009年「第12回PRアワードグランプリ」にて「ツール・スキル部門 最優秀賞」(日本パブリックリレーションズ協会主催)を受賞いたしました。
「“広報PRの効果測定”という難しいテーマに正面から切り込みながら、非常に分かりやすいモデルである。実査を重ね、より完成度の高い評価モデルに仕上げて欲しい。」という点が受賞理由としてあげていただきました。
PR露出配信サービス
自社のPRの露出状況については、PR会社などを活用することで把握する場合が多いと思います。このサービスは、事前に企業名、ブランド名、商品名などをご登録いただくことで、競合品も含めて、どのようなPR露出があったのかについて、テレビ番組での取り上げを中心に、レポートをするためのものです。
例えば「ヨーグルト」などのように、検索したい言葉をご登録をいただくと、ヨーグルトに関連して取り上げがあったすべてのテレビ番組について、取り上げた番組のタイトル・時間・秒数・内容などについて、データを配信します。その番組が、どれぐらいの人に見られていたのかについても情報を提供できます。
このサービスは自動化されたサービスで、放送があった翌日には、どのようなPR露出があったのかについて、自動で配信されます。
以下のような利用を考えている方に最適なサービスです。
- 自社が仕掛けたPRがどのような結果になったのかを即時に知りたい
- 競合他社のPRの実態について把握したい
- 自社・他社含めて、関連する商品やサービスのカテゴリーで、どのようなPRが多いのかを把握したい
- マイナス表現での取り上げがあった場合に即時に対策を検討したい
- PR取り上げの多いチャンネルや番組を把握し、PR戦略に活かしたい
目的に応じて、検索する言葉を自由に設定できることと、翌日には自動配信される即時性が、このサービスの特徴です。配信の方法は、Webサイト、メールなど自由に設定することが可能です。モバイルなどのメールアドレスに配信することで、外出先でも、適時適切に、PR出稿を把握することができます。