2022年1月26日 最新データから読み解く「NRIマーケティングレポート」

コロナで増える若者の勉強、男性は朝・YouTube、女性は夜・ネット

コロナ前後で勉強時間が増えた人は10%程度。若年層は今後増やしたい人も多い

 コロナの感染拡大が長期化する中、世間ではテレワークが浸透した。それにより、生活者は自由に使える時間が
増えたと言われている。増えた時間一つの使い道として考えられるのが勉強時間だ。今回はコロナ期における社会人の勉強実態について調査した結果を紹介する。

 図1は、コロナ前後の勉強時間の変化と今後勉強時間を増やしたいかどうかを調査した結果である。結果を見ると、勉強時間を増やした人はは10%にとどまっている。一方で、今は増えていないが、今後増やしたいと考えている人は31%となっており、中でも20-30代でその割合が多くなっている。不確実性が高くなる中、稼ぐ力をスキルを身につけようとしている若者が多いのかもしれない。

図1 コロナ前後の勉強時間と今後の意向marketing_v65_1.jpg

勉強時間が増えた人はテレビを見ながら勉強。ネット・本・YouTubeを積極活用

 実際に勉強を増やした人(図1B+D)と増やしたいが増やせていない人(図1A)で、どんな特徴があるのかを見てみよう。
 図2はそれぞれの人が実施している勉強の工夫や勉強方法を示した結果である。結果を見ると、勉強時間が増えた人は、テレビのながら時間を活用していたり、ネット、本、YouTubeを使っている割合が多かった。

図2 勉強方法・工夫marketing_v65_2.jpg

現在勉強している人のみに調査

勉強が増えた若年の工夫、男性は朝・YouTube、女性は夜・ネット

 20-30代についても見てみると、男女で傾向が異なることが分かった。男性は勉強時間が
増えた人で、朝準備しながらの勉強をする人やYouTubeの学習コンテンツの利用する人が多い。一方、女性は勉強時間が増えた人で、夜勉強をしている人や、ネットを使う人が多い。まず、時間帯については、テレワークで減っているとはいえ女性は朝にメイクをする人も多く、ながら勉強が難しいことが影響していると考えられる。また、勉強方法は勉強内容に影響を受けていると思われる。別途調査した結果をみると男性はプログラミングや英語などを勉強する人が女性より多いことがわかった。これらはYouTubeにコンテンツが存在するジャンルであり、勉強時間が増えたことで今まで以上に活用が進んだようだ。一方、女性は資格試験を目的にする人が多く、PCや本を見ながらの勉強が増えている。以上のように、生活者の中では新たな勉強スタイルが増えている。学習コンテンツ提供者は、こういった生活者の変化に合わせ配信内容を変えることが求められている。

出所)NRI インサイトシグナル調査(20211016日、関東男女20-60代)

NRI マーケティングサイエンスコンサルティング部 中田壮星

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