Marketing Analysis Contest

マーケティング分析コンテスト

2022

審査結果・レポート公開中

2022年審査会レポート

マーケティング分析コンテスト2022 詳報

さまざまな視点から生活者の購買要因を掘り下げてデータを分析し、斬新なビジネスの法則や新しいマーケティング指標等の発見を競う「マーケティング分析コンテスト2022」の最終審査会が2022年12月20日、野村総合研究所本社にて開催された。16度目の開催となった今回は、101件のレポートが集まり、予備審査を通過した優秀な作品に対する激論の審査会となった。

第16回目を迎えた今回も例年どおりニュースリリースを中心とし、コンテストへの参加を募った。レポート提出は101件となり、引き続き数多くのご応募をいただくことができた。企業が単独で行う広告・マーケティング領域でのコンテストとしては、国内最大級であるといえよう。

今年の特徴は、昨年から引き続き、応募作品全体の平均レベルが高まっており、分析手法での差がさらになくなりつつある状況。審査員からは「例年に比べ、商学部や経済学部などの学部生の参加も増え、完成度の高い分析手法や着眼点の優れた仮説設定のレポートも散見された」との声も挙がった。

今回も例年どおり11月中旬から6人の審査員による予備審査が行われ、最終審査作品を選定した。最終審査会では1作品ずつ丁寧に議論がなされ、分析結果が有益なもの、分析ロジックやプロセスの優れたもの、視点や仮説設定が斬新なもの、ビジネス実務への展開が可能なものなど、多面的な評価のもと、審査がおこなわれた。

その後、最終投票がおこなわれたが、受賞作品の決定には最後まで白熱した議論が行われた。最終的に、最優秀賞、優秀賞それぞれ1作品、佳作2作品の選定となった。

最優秀賞には、早稲田大学 社会科学部 上村 春佳氏による「視聴覚的なテンポを考慮したテレビCMの広告効果分析」が選出された。テンポに関する CMの特徴と広告効果との関連に着目した点が高く評価された。

優秀賞には、中京大学 総合政策学部 山田 凌大氏、中村 五馬氏、廣瀬 光大氏、東畑 愛梨氏、永井 颯真氏による「アーリーアダプターを多く取り込むのに効果的な広告の形」が選出された。アーリーアダプターを心理的特性から導出し、選好されやすいTV広告の内容を分析している点が興味深いと評価された。

佳作には、上智大学 理工学部 薦田 怜奈氏による「消費者属性を考慮したインターネット広告配信媒体の最適化〜Netflixを事例として〜」が選出された。Netflixの利用意向に影響する変数を消費者属性ごとに把握しており、実務的示唆が高い点が評価された。

佳作には、慶應義塾大学 経済学部 前道 絢奈氏による「SDGsビジネス促進のためのTVCM出稿戦略およびSNS活用施策」が選出された。先行研究の理解と用いる分析手法を硬軟使い分けていて適切である点が評価された。

審査会終了後、各審査員からは「データ分析に慣れた学生が増えてきて、高度な分析を行っている論文も多く見受けられた。本年は、分析結果の整理のみでなく、研究目的を果たせたか、結果から読み取った考察がされていたか が評価ポイントとなった」と、総括した。

「マーケティング分析コンテスト2022」各賞受賞作品(敬称略)

Grand Prize

最優秀賞

  • 「視聴覚的なテンポを考慮したテレビCMの広告効果分析」

    早稲田大学 社会科学部 上村 春佳

審査員コメント

「カットの切り替わる回数、使用楽曲のテンポ、発話速度などテンポに関する CMの特徴と広告効果との関連をみるという視点が面白い。」

「視覚的なテンポと聴覚的なテンポの効果を捉えるべく、消費者特性別に精緻な分析を行っている。」

First Prize

優秀賞

  • 「アーリーアダプターを多く取り込むのに効果的な広告の形」

    中京大学 総合政策学部 山田 凌大 中村 五馬 廣瀬 光大 東畑 愛梨 永井 颯真

審査員コメント

「アーリーアダプターを採用時期ではなく、心理的特性から導出し、選好されやすいTV広告の内容を分析している点は興味深い。」

「データの補正だけに傾向スコア法を用いていて、あとはスタンダードな分析であることがよかった。アーリーアダプターの特性を考えてシンプル且つわかりやすい研究である。」

Second Prize

佳作

  • 「消費者属性を考慮したインターネット広告配信媒体の最適化〜Netflixを事例として〜」

    上智大学 理工学部 薦田 怜奈

審査員コメント

「Netflixの利用意向に影響する変数を、消費者属性ごとに把握しており、実務的示唆が高い内容だと評価できる。」

「研究背景の整理、補足資料にアルゴリズムまで付けていて汎用性の高い解像度で書かれている。」

Second Prize

佳作

  • 「SDGsビジネス促進のためのTVCM出稿戦略およびSNS活用施策」

    慶應義塾大学 経済学部 前道 絢奈

審査員コメント

「きちんと文献を読んでSDGsのことを知ったうえで分析を行っているため、分析の流れ、最後の結論まできれいに書けている。用いる分析手法も複雑なものをただ行うだけではなく、硬軟使い分けていて適切である。」

「冒頭のテレビ視聴ジャンルから視聴者クラスター化(k-means)や、携帯会社のイメージ変化を目的変数にしているのが新鮮でよかった。」

最終候補作品

  • 「映画業界においてAmazonエフェクトは起きているのか~コロナ禍を経て変化する有料動画配信サービスと映画館の在り方~」

    青山学院大学 経営学部 太田 陽裕

  • 「テレビCM 内の擬人化された動物がもたらす広告効果の分析」

    同志社大学 文化情報学部 八木 綾南

  • 「医薬品における消費者特性と関与度を考慮した広告出稿メディア戦略の提案」

    同志社大学 文化情報学部文化情報学科 立花 透也

  • 「飲料CMにおける有効な表現と出稿時間の提案」

    関西大学 経済学部 森光 令

  • 「データから導くキャッシュレス推進のための施策」

    青山学院大学 経営学部 後関 駿

  • 「携帯市場 市場セグメンテーションとTV広告の訴求ポイント適合性」

    東洋英和女学院大学 湯本 佳那子 井上 ゆみ乃 川島 清花 杉山 茉奈香 森本 彩

  • 「認知欲求尺度とブランドロイヤルティの関係~ロングセラーブランドの購買頻度の観点から~」

    中央大学 商学部 小松 絢香

  • 「YouTubeの利用頻度から探る効果的な広告戦略の提案」

    会津大学大学院 コンピュータ理工学研究科 久力 匡

  • 「テレビCMを注視する視聴者の特徴を明らかにする分析スキームの提案」

    滋賀大学 データサイエンス研究科 山田 祐也

  • 「少数の視聴で購入意向への効果があるCMの検証」

    東京大学 経済学部 清水 瞭

  • 「飲食店における差別化マーケティング」

    長崎大学 情報データ科学部 浦川叶夢

  • 「TVCMの「映像」が消費者の態度変容に与える影響」

    青山学院大学 経営学部 濱野 徹平

  • 「ロイヤルティを高める化粧品広告の要件」

    大阪市立大学 経済学部 西岡 大介 川根 愛実 長野 涼介 前田 翔大

  • 「CMの冒頭5秒の広告効果と冒頭5秒に適した特徴」

    中京大学 総合政策学部 川地 凌矢 浜田 南帆 杉本 泰志 中 亮太朗 内藤夕莉