2018年1月12日
持っているだけで特典が受けられる!? ~Starbucks Rewardsは消費スタイルにどのような変化をもたらすか~
顧客への体験価値を重視することで知られるスターバックス コーヒー ジャパンが、9月20日より初のロイヤリティプログラム「Starbucks Rewards(スターバックス リワード)」を開始しました。
(ロイヤリティプログラム:頻度高く利用する優良顧客に対し、特典を提供することで利用維持・拡大につなげるマーケティング施策のこと)
スターバックスカードをweb登録するだけで簡単に始められるこのプログラム。登録済のスターバックスカードで商品を購入することで「Star(スター)」(ポイントのようなもの)が集まり、会員限定の特典や、「Star」の数に応じた特典を受けることができます。
米国など、海外の一部の国ではすでに展開されているこのロイヤリティプログラムですが、果たして日本の消費者のスターバックス利用スタイルにどのような変化をもたらすのでしょうか?
意外とみんな知らない!?認知率は12.1%
関東エリア在住の消費者に対してStarbucks Rewardsの認知度を調査した結果、「知っている」と回答した人は12.1%という結果に。さらに、「登録している」と答えた人は全体の4.3%という結果になりました。
10月17日のショートリサーチでご紹介した「ポケモンGOを週1回以上プレイする人」が全体の9%であったことと比較しても、普及はまだまだこれからというところでしょうか。
出典)野村総合研究所 シングルソースデータ(関東エリア 男女18-69歳 N=2,750)
出典)野村総合研究所 シングルソースデータ(関東エリア 男女18-69歳 N=2,750)
続いて、性年代別の回答者に対する登録率(「知っていて、登録している」と回答した率)を見てみると、男女共に30代の登録率が最も高いことがわかります。
特に30代女性は最も登録率が高く、10人に1人が登録していることが分かりました。仕事の合間や休日にスターバックスを定期的に利用し、こういったプログラムに関心を持つ方も多いということなのでしょう。
来店やHP/アプリの閲覧など、スターバックスとの接触回数が向上
では、実際にStarbucks Rewardsに登録した人には、スターバックスの利用スタイルに変化が起きているのでしょうか。
Starbucks Rewardsに登録していると回答した119名に登録後の行動の変化を尋ねたところ、43.7%の方が「公式アプリやHPの閲覧回数が増えた」と回答しました。
自身のStarの数が確認できるだけでなく、登録者に対して先行的な情報開示もあるアプリやHP。ついつい見たくなってしまうのもうなずけます。
続いて多かったのが来店頻度の増加で、31.1%の方が「店舗への来店頻度が増えた」と回答しています。ポイントカードのように購買で「Star」が集まる仕組みになったことで、意識して「Star」を集めようとする行動変化が起きているといえるでしょう。
アプリやHP、店頭など、消費者との接点増加につながっているとみられるStarbucks Rewards。ロイヤリティプログラムとして一定の効果を生んでいると考えられます。
出典)野村総合研究所 シングルソースデータ(関東エリア 男女18-69歳 N=119)
同日2杯目のコーヒーの値引きの特典は、女性の25%、男性の17%が魅力的だと回答
最後に、現在Starbucks Rewardsで用意されている7つの特典について、魅力だと感じるものを伺いました。
出典)野村総合研究所 シングルソースデータ(関東エリア 男女18-69歳 N=2,750、
結果から一部抜粋)
「あてはまるものはない」との回答を除くと、最も魅力だと感じる人が多かったのは男女ともに同日2杯目のコーヒーの値引き。次いで、男性では会員限定のプレゼント企画、女性では商品と引き換えられるチケットの発行、という結果となりました。
特典はさまざま用意されていますが、結局のところ値引きや商品での直接的な還元を期待する消費者が多いということでしょうか。このプログラムで消費者とスターバックスとの関係性が更に深まれば、商品の先行購入やセミナー先行予約など、よりスターバックスと深く関わる特典の魅力度が上がってくるのかもしれません。
始まったばかりのStarbucks Rewardsプログラム。まだまだ規模は小さいものの、消費者と店側の接点やコミュニケーションが深まる良い引き金になりそうです。
(野村総合研究所 消費サービス・ヘルスケアコンサルティング部 江部 ゆり夏)