2017年10月12日

「いいね!」ボタンは1日に2.7回

TwitterやLINEなどで、他人の投稿に対して「いいね!」ボタンを押す人も多いと思います。投稿内容が本当に「いいね」と思って押している人もいるでしょうし、投稿を「見たよ」という程度の意味合いで押す人もいるでしょう。

また、最近は、自分の投稿した内容に対して「いいね!」を集めるために、投稿の内容や写真を工夫している人も多く見られます。「インスタ映え」などの言葉もあり、Instagramの中で、人目をひく写真をあげようとしている人も多いようです。

それでは、はたして、「いいね!」ボタンは、どのくらい押されているのでしょうか?

SNSで「いいね!」ボタンを押す人の割合は31.5%

関東の在住の20~59歳を対象に調査した結果をみると、Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSサイトを利用している人の割合は73.4%となっています。そのうち、「いいね!」ボタンを押す人の割合は31.5%です。SNS利用者を母数にした場合には「いいね!」ボタンを押す人の割合は43.0%となっています。

「いいね!」を押している回数をみても、1日に1回だけ押す人の割合は7.7%で、2回以上押す人が23.8%と多くなっており、1日で複数回の「いいね!」ボタンを押すことが当たり前のようになっています。

SNSで「いいね!」ボタンを押す回数(1日あたり)

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出典)野村総合研究所 シングルソースデータ 2017年9月実施(関東エリア 男女20~69歳:N=3,173)

SNS利用者は「いいね!」ボタンを1日に2.7回で挨拶代わり 
日本人全体では「いいね!」ボタンは1日に1億3,600万回押されている

SNS利用者に限定して、「いいね!」ボタンを押している平均頻度をみると、1日あたり2.7回となっている。若い年代になるほど、「いいね!」が押されている割合が高く、20代の場合は、平均で1日あたり4回程度押されている。

1人あたり1日に2.7回も押していることを考えると、「いいね!」は本当に「いい」と思ってボタンを押しているのではなく、挨拶に近いと言えるでしょう。1日あたりに「おはよう」や「こんにちは」を言う回数を調査したことはありませんが、自分の周りの行動をみても、1日あたり3~4回ではないでしょうか。「いいね!」ボタンは、「おはよう」や「こんにちは」と同じレベルのコミュニケーションの手段と言えるでしょう。

また、性・年代別のSNSの利用率、SNS利用者あたりの「いいね!」ボタンの利用頻度のデータをもとに、10歳から69歳までの日本人全体が「いいね!」ボタンを押している総数は「1億3,600万回」と推計されます。2017年1月1日時点の人口動態調査による日本人の総人口は1億2,558万人です。1日で押している「いいね!」ボタンは、日本人が1人1回ずつ押している計算になります。

「いいね!」を1,000個集めると「マーケティングとして成功」みたいことを書いている本もありましたが、もはや「いいね!」は「こんにちは」と同じレベルであり、「いいね!」を集めるだけではビジネス上は何の意味もないでしょう。

ご自身のSNSで一生懸命に「いいね!」を集めている人も、集めることを目的とするのではなく、たまには、本当に伝えたいことを書いてみてはいかがでしょうか。「いいね!」ボタンにはない本当の賛同が得られるかもしれません。

性・年代別の「いいね!」ボタンを押す回数(SNS利用者あたり)

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出典)野村総合研究所 シングルソースデータ 2017年9月実施(関東エリア 男女20~69歳:N=2,330)