30秒テレビCM制作時に気を付けるべきこと

30秒CMは15秒CMよりも2倍の放映時間を持つものの、広告認知率に差はつかない

15秒テレビCMの内容を具体化する方式で30秒テレビCMの作成することも多いのではないだろうか。発注を行う代理店によって買い付け金額が異なるので一概には言えないが、30秒のテレビCMは時間が2倍なので当然ながら15秒のテレビCMに比べて費用が高くなりやすい。

そこで、広告の費用対効果を分析するために、類似素材の15秒CMと30秒CMについて同じ接触回数での広告認知率の比較を行った。30秒CMは2倍の放映時間があるので当然広告認知率も30秒CMのほうが高いことが期待されるが、実際には15秒CMに5回接触した時の広告認知率は23.0%であったのに対して、30秒CMに5回接触したときの広告認知率は24.9%であり、両者でほとんど差がついていないことがわかった。また、参照した事例では、同秒数で比較しても30秒のほうが広告認知率が高くなることは確認できなかった。以上のことから30秒素材は広告枠としては2倍の時間を持つが、その結果広告認知率が2倍になるわけではないことがわかり、コスト効率はあまり高くないと考えられる。

そのため30秒CMを制作する場合は、その30秒を使って何を訴求すべきかを検討し、それに適した表現でのクリエイティブ制作を行うことが求められる。単純に15秒CMのクリエイティブ内容を具体化する方針でCMを制作することは、コスト効率の観点から避けるべきだろう。

接触秒数とテレビCMの認知率

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