2016年7月28日

数字で見たポケモンGO ~認知率は90%以上、ダウンロード数は2日で推計1200万超~

7月22日の朝、待ちに待ったポケモンGOの配信がついに日本でも開始されました。

大勢のトレーナーがレアポケモンをゲットするために公園に集う、政府機関が遊び方に関して注意喚起をする、観光客誘致に活用する自治体があらわれる、などさっそく日本でも社会現象となっています。

さて、この社会現象を数字でみると、どんな結果になっているでしょうか。

NRIでは急遽、配信日の翌日にアンケートを実施しました。

配信日の翌日時点で、生活者の20%以上がダウンロード

まずは認知率を見てみましょう。「聞いたことがあるような気がする」までを含めると、生活者の90%以上がポケモンGOを認知しているという結果になりました。同時期に調査した、有名ゲームシリーズの最新作「ファイナルファンタジー15」の認知率は20%程度ですので、この数字は驚異的に高いと言えるでしょう。

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出典)野村総合研究所 2016年7-8月期シングルソースデータ(2016年7月23日実施 関東エリア、男女20-50代、n=2,304)

ダウンロードはどうでしょうか。アンケートではポケモンGOのダウンロード意向も調査しています。これをみると、配信日の翌日時点で、既にダウンロードした人は生活者全体の22.2%という結果でした。

20~50代の人口はおよそ6000万人ですから、単純に見積もっても、ダウンロード数は2日で1200万を超える計算となります。

 性年代別にみると、ポケモン世代である20代で高い値となっており、特に女性20代では4割近い人が既にダウンロードしたという結果となりました。ポケモンシリーズの経験別にみても、確かに、過去ポケモンシリーズを遊んだことのある人で、特にダウンロードされていることが分かります。

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出典)野村総合研究所 2016年7-8月期シングルソースデータ(2016年7月23日実施 関東エリア、男女20-50代、n=2,304)

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出典)野村総合研究所 2016年7-8月期シングルソースデータ(2016年7月23日実施 関東エリア、男女20-50代、n=2,304)

テレビ報道のリーチ率は30.7%。ダウンロードを促進した

短期間で驚異的なダウンロード率となった背景として、やはりテレビの影響は大きそうです。配信日までに海外での熱狂が連日報道されており、配信日直前の1週間(7/16~7/22)だけで、131番組でポケモンGOのニュースが取り上げられていました。

シングルソースパネルで接触状況をみると、「生活者全体の58.5%が取り上げのあった番組を1回以上見た」、という結果が得られました。単位が違うため単純比較はできませんが、これはテレビスポットを4000GRP投下したときの接触率※に匹敵する値です。

それでは、テレビ報道によってダウンロードは促進されたのでしょうか。ポケモンGOの取り上げのあった番組を5回以上接触した人とそうでない人とで、ダウンロード意向を比較すると、全体では+2.2ptの差がありました。テレビ報道に接触することによって、意向が高まっていることが推察されます。さらに、年代で特徴をみると、特にポケモン世代の20代で+13.1ptの差が見られました。ポケモン世代は他の世代以上にテレビ報道から影響を受けて、ポケモンGOをダウンロードしたようですね。

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出典)野村総合研究所 2016年7-8月期シングルソースデータ(2016年7月23日実施 関東エリア、男女20-50代、n=2,304) (7/16~7/22の131番組を対象に集計)

※15秒のCFに10回以上接触した場合を接触と定義した場合

 いかがだったでしょうか。数字でみると、ポケモンGOブームの凄さがよく分かります。歩きスマホに気をつけながら、お気に入りのポケモンをゲットしたいですね。

(小川 晃生)