2016年5月25日

花粉症になる人、こんな人

花粉症

2016年も花粉症のピーク時期は過ぎ去り、だいぶ楽になったという方も多いのではないでしょうか。今年の花粉の飛散量は平年より少なめとは言われていますが、2015年よりは多く、花粉症に悩まされた人も多いと思われます。インサイトシグナルメンバーにも、長年様々な花粉症に悩む人もいれば、最近になって花粉症になり、重症化したという人もおり、花粉症歴や症状が出る時期が様々です。花粉症については、「女性の方が症状が出やすい」や「昔は花粉症なんて無かった。最近の若者は貧弱だ」という話を聞くこともあります。実際はいかがでしょうか。NRIシングルソースデータから検証してみたいと思います。

女性は花粉症になりやすい

男性と女性では花粉症の発症時期の傾向が異なるようです。花粉症の立ち上がり時期である1月~2月においては、女性は男性より症状が出やすいことがわかります。スギ花粉の飛散は3月~4月がピークですが、飛散自体は2月初旬から始まりますので、女性はよりスギ花粉に反応しやすいと思われます。また、9月~11月においても女性の方が症状が出やすいこともわかります。秋はスギのような木本系ではなく、イネ・ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなど草本系の植物による花粉が影響するようです。

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出典)野村総合研究所2016年3月-4月期シングルソースデータ(関東エリア男女20-69歳花粉症対象者:N=1,546)

年代別にみる発症時期の特徴

同様に、年代別にも花粉症の発症時期を見てみます。花粉症歴が長くなると、スギ花粉にも敏感になってしまうのでしょうか。年代が上がるほど花粉症の立ち上がり時期である1月~2月に症状が出やすくなるようです。一方、秋の草本系の花粉症については、60歳代は花粉症割合が少なく、若い人がやや高いことがわかります。

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出典)野村総合研究所2016年3月-4月期シングルソースデータ(関東エリア男女20-69歳花粉症対象者:N=1,546)

近年、花粉症に罹る人が増えている

筆者は15年ほど花粉症とお付き合いしていますが、関東圏在住の方々の花粉症歴はいかがでしょうか。実年齢と花粉症に罹った年齢との差を花粉症歴とした場合に、5年刻みの花粉症歴の分布は下記のようになります。

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出典)野村総合研究所2016年3月-4月期シングルソースデータ(関東エリア男女20-69歳花粉症対象者:N=1,546)

40年以上も花粉症とお付き合いしている人がいることに驚きですが、全体的には15年以内に発症している人が多いことがわかります。
もちろん、年代が高いほど花粉症歴も長くなると思われますので、次に10歳刻み年代別の平均花粉症歴を下記グラフで見てみます。

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出典)野村総合研究所2016年3月-4月期シングルソースデータ(関東エリア男女20-69歳花粉症対象者:N=1,546)

グラフから、年代が上がるほど花粉症歴は長くなることがわかります。ただし、+10歳の花粉症歴の上がり幅は+10年ではなく、+2年~+5年であることから、年代に関係なく比較的近年に発症した人が多いことがわかります。近年はスギ花粉量の増加だけでなく、環境悪化も起因し、花粉に対する抗体(アレルギー)ができやすくなっていると言われます。これまで花粉症に罹っていなかった方も油断大敵です。一度花粉症に罹ると、花粉の飛散だけに...悲惨です。マスクをするなど予防対策をし、花粉抗体を作らないようにしましょう。

(林 裕之)