2015年12月23日
「猫好き女子」にみるペット可マンションのポテンシャル
20代女子で猫が人気
日本人は無類の犬好きであるが、海外では実は猫派の方が主流である。日本でも、実は、猫の人気が犬に迫っているセグメントがある。それが20代女性である。
出典)野村総合研究所 2015年11-12月期シングルソースデータ(関東エリア 男女20-59歳:N=2,728)
今後、犬を飼いたい人は、男性40代で最も多く、どの年代でも猫よりも犬を飼いたい割合の方がまだ多いようである。しかし、女性20代に着目すると、犬を飼いたい割合と同じくらい猫を飼いたいと考えている人がいることがわかる。女性20代での猫派は犬派に追いつきつつある。
単身世帯は猫派が多い
実は、単身世帯に住んでいる人では、猫派の方が多い。
出典)野村総合研究所 2015年11-12月期シングルソースデータ(関東エリア:N=2,728)
単身世帯では、散歩の手間がかかる犬よりも、手のかからない猫で人気があると考えられる。単身世帯が増えることで、ペットを飼うなら猫を飼おうという人が増えていることが猫ブームの背景にあるようだ。
賃貸マンションでも、猫が飼いたい
しかし、実際に、猫を飼おうと思うと、住環境の制約により断念することも多い。特に、賃貸住宅では、近年増えつつあるものの、まだまだ、ペット可の物件が少ない。一方で、賃貸住宅であっても、猫を飼いたいというニーズは存在しているようだ。
出典)野村総合研究所 2015年11-12月期シングルソースデータ(関東エリア 男女20-59歳:N=2,728)
猫を飼いたい人は、持ち家よりも、賃貸(社宅なども含む)マンションで特に多いことがわかる。実際、単身世帯の場合、賃貸でマンションに住んでいる割合も高いと考えられ、猫は賃貸マンションに集中していそうだということがわかる。
単身で寂しいから、ペットを飼いたい、働いているから手のかからない猫にしたい、そんな20代女性がどうやら多そうである。
ペットを飼う人は住み始めたころから、家をきれいに使う
不動産の大家さんからすると、ペットを飼うことで、においがついたりするなど、不動産価値の低下を恐れている場合も多い。しかし、定期的な掃除をしたり、カーペットやカバーを敷いたりするなど、住み始めたころから、家をきれいに使う工夫をしている割合について、興味深い調査結果がある。
出典)野村総合研究所 2015年11-12月期シングルソースデータ(関東エリア 男女20-59歳:N=2,728)
まず、男性より女性の方が家をきれいに使う工夫をしている割合が多い。そして、ペットを飼いたくない人よりも、犬や猫を飼いたい人の方が、家をきれいに使う工夫をしている結果となっている。
家族同然のペットがいる家で、ペットにとって快適な環境を求めた結果、様々な工夫を凝らしている傾向がうかがえる。
昨今は、ペット対策グッズも多く売られており、多種多様な対策が行える。家をきれいに使う工夫をする人に向けて、ペットが飼えることを付加価値にした物件について、増えるポテンシャルを秘めているのかもしれない。
(佐藤 好浩)