2021年10月13日 最新データから読み解く「NRIマーケティングレポート」
コロナ収束後も、スキルアップセミナーはオンライン利用が浸透か。
オンラインでの娯楽・習い事は「ライブ・演劇」が多く「セミナー・フィットネス」が続く
2021年7月、東京都では4回目の緊急事態宣言が発令され、外出自粛生活は長期にわたる日常となった。飲酒を伴う宴会の自粛に加え、イベントや習い事についても対面からオンラインでの実施にシフトしている。
図1:オンラインでのイベント・習い事の参加状況
(ここ1年でプライベートで参加、参加率上位5項目)
図1は「ここ1年で、プライベートでオンラインのイベントや習い事に参加したか」を聴取した結果だ。ちょうど東京都で新型コロナウイルスの感染者が確認され始めてから約1年ほど経った、2021年2月に調査を実施している。オンラインでの参加率が高いのは、「音楽/ライブ/フェス」「映画/演劇/伝統芸能の鑑賞」(いずれもDVDや放送を通じた過去映像の鑑賞は除く)などのイベントで、5%以上となっている。次いで「スキルアップのためのセミナー」「スポーツ/フィットネスのレッスン」などの習い事の参加率が高い。
コロナ収束後もセミナーはオンラインのまま定着
新しい生活様式で浸透しつつあるイベント・習い事のオンライン化は、コロナ収束後も継続するのだろうか。図2は、オンラインで参加したイベント・習い事のうち、コロナ収束後に対面で参加したいかを聴取した結果だ。
図2:コロナが収束したら対面で参加したい割合(参加率上位5項目)
「音楽/ライブ/フェス」「映画/演劇/伝統芸能の鑑賞」については、70%超が「対面で参加したい」と答えている一方で、「スキルアップのためのセミナー」は66.7%がコロナ収束後も「オンラインで参加したい」と答えている。単独での情報収集を主とするセミナーなどは、移動時間の短縮など、オンラインのメリットが支持されているようだ。
オンライン派はタブレット端末の保有率が高い
スキルアップのためのセミナーについて、対面派とオンライン派で電子機器の保有状況の違いを見てみよう。対面派が薄型テレビの保有率が高いのに対し、オンライン派はタブレット端末が高い。
図3:スキルアップセミナー参加者の電子機器保有率
コロナ収束後は様々な形態でのセミナー実施が想定されるが、提供するインフラや案内するメディアについては、受講ユーザーに応じて用意する必要がありそうだ。
出所)NRI インサイトシグナル調査(2021年2月13日、関東男女20-60代)
NRI マーケティングサイエンスコンサルティング部 主任コンサルタント 田中渚子