2020年12月25日 最新データから読み解く「NRIマーケティングレポート」

コロナで外食をしない人が増加、外食頻度の回復には時間が必要

週1回以上の外食利用は半減。ほどんど外食をしない割合は倍増。

 新型コロナウイルス感染症の流行にともない、外食に行く頻度は大きく減少した。6月以降、回復傾向にはあり、20209月からは、Go To Eatキャンペーンが始まった。本レポートでは、202011月末時点で、どの程度外食頻度が戻っているのかを分析する。

図1 外食頻度の変化

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 図1は、コロナ拡大前の20202月以前の外食頻度と、20209月~11月の外食頻度を比較したものである。週1回以上利用者は、36.4%から18.2%に減少し、ほとんどしない層は14.4%から28.8%と倍増している。コロナの流行により、外食頻度が大幅に減少したことがわかる。

Go To Eat を利用率は、生活者の3割弱。ヘビー層、ミドル層を中心に利用されている

 9月下旬から始まったGo To Eatの利用率・認知率は、図2のように、Go To Eatの「名前を知っている」人は9割を超え、「内容も理解している」人は8割を超えている。 メディアで取り上げられることも多く、高い認知・理解につながっていると考えられる。また、「利用したことがある」人は、全体の約3割であった。開始後約2ヶ月間での利用率となるが、すでに4回以上利用する人が6.5%存在する。

図2 Go To Eat の利用率

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図3 外食頻度別のGo To Eat利用率とGo To Eatにより外食が増えた人の割合

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 外食の利用頻度と、Go To Eat利用の関係を整理したものが図3である。外食の利用頻度が多い人ほど、Go To Eatの利用率が高い。月1回以上外食する層でも3割を超える利用率となっている。また、Go To Eatを利用した人に外食頻度が増えたかを聴取したところ、外食頻度が高い層の場合、3割超がGo To Eatのおかげで、外食が増えたと回答している。一方、外食頻度の少ない層では、 Go To Eatの利用率は低く、外食の利用拡大につながったと回答した人の割合も少ない。

 Go To Eatなどの支援策は、外食頻度の拡大に影響しているが、一部の層への効果は限定的だ。コロナの影響で、大幅に拡大した「外食をほとんどしない」状況になった生活者の外食を喚起するまでにはいたっていない。外食頻度が元の水準に戻るには、相当な時間を要すると見られ、外食産業はさらなる対策を検討することが必要である。

感染症の再拡大を受け、1124日以降、食事券の新規発行の一時停止や食事券や付与されたポイントの利用を控える旨の呼びかけが行われている。

出所)NRI インサイトシグナル シングルソースパネルデータ

NRI マーケティングサイエンスコンサルティング部 梶原光徳 上級コンサルタント

NRIマーケティングサイエンスコンサルティング部では、シングルソースデータによる生活者の行動を毎日継続的に収集しております。お客様のテーマや課題にあわせて、データの追加調査や分析をおこない、マーケティング課題解決のお手伝いをいたしますので、こちらより、お気軽にお問合せください。