2020年3月11日

ニュースリリース

「広告効果賞2019」結果発表

株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)は、広告効果に優れた広告を表彰する「広告効果賞2019(以下「本賞」)の受賞者を発表しました。2019年1月から12月に広告展開のあった264の応募作品から、金賞2作品、銀賞4作品、特別賞2作品を選出しました。

「広告効果賞2019」各賞受賞作品(敬称略)

金賞

株式会社ジェーシービー / JCBカード

《選定理由》

効果が出にくいとされる金融カテゴリの中で、ほぼ全ての指標で広告効果が見られた。前回の広告で効果が出なかったクリエイティブの原因を正確に把握し、的確な対策を打つことで結果に結びつけており、PDCAがうまく回っている好例である。自分ごと化しやすいシチュエーション、ユーモアを交えて展開することで、利用喚起に繋げている。

雪印メグミルク株式会社 / 恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト

《選定理由》

機能性のある商材に対し、説得力に定評のあるタレントを起用。キーコピーを「トクホのガセリ」に絞り、クリエイティブのトーン&マナーを統一したことで、高い効果を生み出した。クロスメディア展開により、ターゲットを確保しつつ、シリーズ内での相乗効果も見られた。

銀賞

中外製薬株式会社 / 企業広告

《選定理由》

一般に訴求内容が曖昧になりやすい企業広告において、ターゲットとなる層で特に高い効果を獲得。TVCMはもちろん、Webや新聞も有効に機能しており、クロスメディアでの効果も高かった。メッセージを伝達することで、バイオ=中外製薬と印象づけることに成功した。

久光製薬株式会社 / フェイタス

《選定理由》

同一ブランドの中に2つの異なる製品があることを認知させる、という難しいテーマに対し、同じTVCM内でユーモラスかつストレートに伝えることで、その役割を果たしている。同じ広告を繰り返し出稿することで、効果の出るターゲットが「カテゴリヘビー層」から「ライト層」へ拡大している点もポイントである

株式会社Mizkan / 黒酢ドリンクストレート

《選定理由》

インパクトの強い広告ではないが、製品認知や購入意向において、確実に効果が出ている。訴求ポイントを健康面に寄せがちなカテゴリの中で、すっきり感や飲みやすさを強調することで、効果が出ている。タレント認知が高すぎないことが、逆に製品性が伝達に寄与したという点も興味深い。 

株式会社ロッテ / クーリッシュ

《選定理由》

全ての指標で広告効果があり、特に若年層や女性の反応がよかった。あまり難しいことはせず、分かりやすく、インパクトのあるクリエイティブを用意することで、CM認知率を向上させ、効果に繋げた。対象カテゴリにおいて何が重要なのか、ということを正確にとらえ、それを素直に再現した好事例である。

特別賞

大正製薬株式会社 / リポビタンD

《選定理由》

大きな話題となったラグビー日本代表への協賛広告として、高い効果が見られた。当初、CM認知率も低く効果面でも苦戦していたが、様々なコンタクトポイントで粘り強く展開し続けることで、徐々に世間に浸透した。日本代表の活躍が寄与する面も当然あるが、ラグビーと商品イメージの合致度やCM好感度の高まりにより、あらゆる世代で購入意向の創出に繋がった。

森永乳業株式会社 / トリプルヨーグルト

《選定理由》

昨年も広告効果としては結果が出ていたが、実売については想定どおりとはならなかった。本年は改めてターゲットを再整理し、刺さる人に刺さるメッセージを届ける、ということで、強い購入意向と購買へ繋げることができた。いきなり全国で出稿せず、まず地方エリアで出稿し、その結果を精緻に検証してから拡大するなど、緻密な戦略が実を結んだ。

広告効果賞とは

本賞はNRIが広告効果測定をおこない、広告により、生活者の商品・サービスの利用・購入意向をはじめとするプロモーションKPIの向上に効果のあった優れた事例に対して表彰を行います。

消費者の行動と企業の施策とが相互にもたらす関係や影響を「見える化」するサービス「Insight Signal(インサイトシグナル)*1」において、NRIが独自に収集したシングルソースデータ*2から広告の消費者の行動と心理変化への影響を測定している。本賞は、その結果について広告を行う本来の目的である「ビジネスへの効果」を念頭に、購入・利用意向や商品名訴求・ブランディングなど、NRIであらかじめ設定したKPIにおいて高い効果のあった事例を表彰することで成功例として記録に残し、業界の発展に資するものです。芸術性や話題性の高さを評価するのではなく、広告のビジネスへの効果を高めるためにはどうすれば良いか、企業にとって広告・マーケティング戦略のご参考となることを期待します。

*1 Insight Signal(インサイトシグナル):
加入企業が行う広告、PRなどのプロモーション施策について、NRI独自のデータを基に、NRIが分析・評価するサービスです。媒体選定、クリエイティブ作成の支援をはじめ、KPI設定やPDCA構築の支援も行います。

*2 シングルソースデータ:
メディア別の広告効果を生活者の視点で評価することを目的に、同一の調査対象者に対して、多様なメディアへの接触状況とともに、商品・サービスの認知や購入意向、購入有無などを調査したデータです。シングルソースデータは、個人が特定される情報ではありません。