2019年3月 8日

ニュースリリース

「広告効果賞2018」結果発表

株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)は、企業が発信する広告において、広告効果のあった優れた広告を表彰する「広告効果賞2018(以下「本賞」)」の結果を発表しました。2018年1月から12月に広告展開のあった企業・ブランドの中から、厳正なる審査の結果、金賞を2作品、銀賞を5作品、特別賞を2作品選出しました。

「広告効果賞2018」各賞受賞作品(敬称略)

金賞

株式会社資生堂 / インテグレート水ジェリークラッシュ

《選定理由》

これまでのブランドが持っていた購入意向に繋がるイメージは残しつつ、話題性や他にはない特徴のイメージをテレビCMをはじめメディア全体で喚起した。さらに、新製品の強みである製品特徴をデジタルメディア(SNS、バナー、記事タイアップ、動画など)を用いて幅広く展開することで、口コミの発生に成功。製品のヒットに繋がった。

日本生命保険相互会社 / みらいのカタチ だい杖ぶ

《選定理由》

金融&新商品&初OAという難しい環境においてタレントのコミカルさを活用し、CM認知を確保するとともに動画では複数の専用素材を展開。高い再生回数だけでなく、興味や検討といったステップまで効果が見られた。また綾瀬はるかさんの同時起用が日本生命とのブリッジになり、商品認知だけでなく、企業好感にも繋がっている。

銀賞

エスビー食品株式会社 / きざみ青じそ

《選定理由》

同社における他のブランドとタレントを共通して起用し、プロモーションのフレーム化による相乗効果を発揮。CM認知から商品認知まで一気に持ち上げることに成功。ターゲットの女性を中心に購入意向が強く高まった。

森永乳業株式会社 / トリプルアタックヨーグルト

《選定理由》

上市直後のプロモーションではブランドの認知を高め、上市半年後の出稿では商品理解を高めるといった、顧客ステップを段階的に引き上げていく戦略に沿ったクリエイティブ展開が、狙い通りに機能した。

株式会社Mizkan / 追いがつおつゆ

《選定理由》

"つゆボナーラ"という追いがつおつゆを使用したメニュー訴求の新鮮さ、インパクトが喫食意向に繋がった。本商品は定番商品ながらも生活者にレパートリーの幅を感じさせていることで、購買促進につなげている。

久光製薬株式会社 / サロンパス

《選定理由》

ユーモアのあるクリエイティブにより高いCM認知率を獲得。本商品は定番商品の代表格であり、ブランドイメージは固定化しつつあったが、本プロモーション展開以降、若年層を中心にイメージ・意向を大きく伸ばすことに成功した。

富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社 / arrows Be

《選定理由》

スマートフォン市場という固定化したカテゴリの中、高いタレント力を活かしたプロモーションで、ブランドについての想起系指標を大きく高めることに成功。イメージ変化も大きく、「割れない」「洗える」というキーメッセージも有効に機能した。

特別賞

株式会社ロッテ / 歯につきにくいガム<記憶力を維持するタイプ>

《選定理由》

大規模な出稿はできない中、ターゲットを狙ってメディアを選定。単体での効果とともに、クロスメディアでも効果が高い。じっくりと商品の特徴を伝える素材により、伝えたいメッセージが刺さったことが効果に繋がっている。デジタル媒体は出稿していないが、商品の話題性からWEB上で口コミが発生していた点も面白い。

三井不動産株式会社 / 東京ミッドタウン日比谷

《選定理由》

テレビ、新聞、交通、デジタル、シネアドなど各施策がそれぞれ「強い訪問意向」を高めており、一気に世の中に浸透させた。さらに、三井不動産=魅力的な街づくりという、比較的動かし難いイメージにも寄与していた。また、ミッドタウン日比谷を案内するGoogleとのタイアップ広告も非常に相性がよく、訪問意向がさらに高まった。

広告効果賞とは

本賞はNRIが広告効果測定をおこない、広告により、生活者の商品・サービスの利用・購入意向をはじめとするプロモーションKPIの向上に効果のあった優れた事例に対して表彰を行います。

消費者の行動と企業の施策とが相互にもたらす関係や影響を「見える化」するサービス「Insight Signal(インサイトシグナル)*1」において、NRIが独自に収集したシングルソースデータ*2から広告の消費者の行動と心理変化への影響を測定している。本賞は、その結果について広告を行う本来の目的である「ビジネスへの効果」を念頭に、購入・利用意向や商品名訴求・ブランディングなど、NRIであらかじめ設定したKPIにおいて高い効果のあった事例を表彰することで成功例として記録に残し、業界の発展に資するものです。芸術性や話題性の高さを評価するのではなく、広告のビジネスへの効果を高めるためにはどうすれば良いか、企業にとって広告・マーケティング戦略のご参考となることを期待します。

*1 Insight Signal(インサイトシグナル):
加入企業が行う広告、PRなどのプロモーション施策について、NRI独自のデータを基に、NRIが分析・評価するサービスです。媒体選定、クリエイティブ作成の支援をはじめ、KPI設定やPDCA構築の支援も行います。

*2 シングルソースデータ:
メディア別の広告効果を生活者の視点で評価することを目的に、同一の調査対象者に対して、多様なメディアへの接触状況とともに、商品・サービスの認知や購入意向、購入有無などを調査したデータです。シングルソースデータは、個人が特定される情報ではありません。