実施レポート

2017年3月3日（金）大手町サンケイプラザ4階大ホールにて、第22回消費者マーケティングデータ研究会を開催いたしました。 今回はシングルソースデータの活用方法として、「マルチメディア・フリークエンシー戦略への活用」、「将来予測のためのシングルソースデータ活用法、分析方法」をご紹介しました。また、ビッグデータ分析の必要が高まる昨今において、マーケティング・データを一元的に管理する「マーケティング・ダッシュボード」についてご紹介しました。
参加者からは「現在の社内の課題とマッチしていて、興味深かった」「紹介事例が自社の抱えている状況と近く、参考になった」など、実際の業務への対応をイメージした感想をいただきました。

マルチメディア・フリークエンシー戦略への活用

まず、第一章では、インサイトシグナル事業部　梶原光徳からマルチメディアフリークエンシー戦略とシュミレータ―のご説明をしました。NRIでは、2008年からこれまで蓄積したシングルソースデータから、各メディアを比較できるフリークエンシーの水準を算出。これまでばらばらに評価されていた各メディアを、統一指標で横並びの比較が可能になりました。特定のセグメントに対して、フリークエンシーを稼ぐための最適な組み合わせが把握できます。
テレビCM100GRPはWEB動画広告の約2000万インプレッションに相当するというデータには、多数の参加者から関心が寄せられました。

シングルソースデータで実現する「マーケティング・ダッシュボード」

続いて、第二章では、同じくインサイトシグナルグループの小川晃生から、マーケティングダッシュボードの構築と運用に関してご案内しました。実際の活用事例を元に、現状の正確な把握～課題発見～解決策の発見までどのように活用されたかをご説明しました。ビッグデータの重要性が説かれて久しいですが、実際にデータの整理・見える化を実現している企業は多くありません。大規模なシステム開発を行うのでなく、利便性の高いBIツールを活用しながら低コストでの導入が可能です。参加者からはダッシュボードの構築だけでなく、どのように、社内浸透させ、運用していくかにも関心が集まりました。

将来予測のためのシングルソースデータ

最後の章では、インサイトシグナル事業部　部長の塩崎潤一が、シングルソースの概要とともに、広告の効果を予測するのためのマーケティングモデル、ＡＩを用いたクリエイティブの効果予測モデル、ターゲットへの接触可能性を予測するためのメディアガイドをご説明しました。NRIでは、事後的な効果測定だけでなく、目標を達成するために、どのようなアクションが必要か、いまやろうとしている施策では、どれくらいの効果が期待できるかまで網羅できるようになりました。参加者からは、「時代はもはやM1F1でプランニングする時代でないということに共感した」「将来予測には挑戦したいが方法がなかなか見えなかったところなので、とても興味深かった」という回答をいただきました。

セミナー概要

野村総合研究所では、2008年からシングルソースデータによる調査を開始し、365日、消費者のメディア接触に関するデータを収集しています。年間で3万サンプル程度のデータを収集しています。

今回のセミナーでは、近年、デジタル分野を中心に、新しく確立したデータ収集の方法と、それらのデータを用いた分析事例について紹介します。また、シングルソースデータの収集も10年目を迎え、継続的に利用するクライアントも多く、時系列でデータを蓄積することで、新しいシングルソースデータの活用方法も増えてきました。このような新しいシングルソースデータの活用事例についても紹介してまいります。今後のマーケティング戦略、広告宣伝戦略の立案に役立てていただければと思いますので、ご多忙とは存じますがご光来賜りますようお願い申し上げます。