2020年4月20日

コロナ禍の中、伸びる食事の宅配サービス!

コロナへの不安感が買いだめ騒動につながっている

新型コロナウイルス感染の急速な拡大を受け、4月8日に東京・埼玉・千葉・神奈川・大阪・兵庫・福岡で発令された緊急事態宣言は、ついに4月16日に全都道府県が緊急事態宣言の対象となりました。それ以前から、不要不急の外出自粛等は要請されており、この数か月で生活者の行動も大きく変わってきました。実際に、どのような変化が出ているのか、NRIシングルソースデータのデータから紹介したいと思います。

トイレットペーパー等を含む生活用品や食品・飲料の買いだめが発生し、全国的に在庫品薄状態になっていることをニュース等で見聞きした人は多いと思います。「生活用品や食品・飲料などの買いだめや備蓄をした」という人は全体では23%ですが、新型コロナウイルス感染拡大について「不安をとても感じる」と答えた人の中では42%になっており、コロナへの不安感が買いだめ騒動につながっていることが伺えます。

生活用品や食品・飲料などの買いだめや備蓄をした人の割合

(新型コロナウイルス感染に対する不安感別)

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コロナへの不安感が強い人ほど外食は減っている

同様に外出自粛の流れで、「以前より外食を利用しなくなった」人は、全体では64%と多いですが、新型コロナウイルス感染拡大について「不安をとても感じる」と答えた人の中では74%になっており、不安感が強い人ほど外食を自粛している動きも見られます。

新型コロナウイルス感染拡大前後における外食利用頻度の変化

(新型コロナウイルス感染に対する不安感別)

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コロナへの不安感が強い人でも、食事の宅配サービスは利用している

一方で、食事の宅配サービスを利用する動きが出ています。宅配ピザや出前館、Uber Eats等の食事の宅配サービスの利用者は全体では24%ほどになりますが、食事の宅配サービスの利用者あたりで新型コロナウイルス感染拡大前後における宅配サービス利用頻度は「以前より利用するようになった」人が相対的に多く、利用が進んでいることが分かります。また新型コロナウイルス感染拡大に対する不安感が強い人においても、食事の宅配サービスの利用頻度が上がっていることが分かりました。

新型コロナウイルス感染拡大前後における食事の宅配サービス利用頻度の変化

(新型コロナウイルス感染に対する不安感別、食事の宅配サービス利用者あたり)

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宅配サービスを安心して利用できる「非接触デリバリー」

例えば出前館では、新型コロナウイルス感染防止対策として、配達員による直接の商品手渡しではなくオンラインキャッシュレス決済による非接触デリバリーを実施しています。利用者が注文時にキャッシュレス決済を選択し、備考欄に「商品はドアノブに掛けてほしい」などの希望を記載すると、配達員がインターホンで到着を伝えた後に、利用者自身で商品を非接触で受け取ることができます。配達員は利用者が商品を受け取るのを離れて見届けることで、受取確認をしています。また、キャッシュレス決済は、配達員と利用者の間で現金の受け渡しが発生しないので、新型コロナウイルス感染に不安感が強い人も安心して利用できます。

また、ドミノピザの「あんしん受取サービス」、ピザハットの「置きピザ」もオンラインキャッシュレス決済と備考欄等の組み合わせにより、同様に非接触デリバリーを実現しており、利用者の不安感を払しょくするサービスを提供しています。

ちなみに、食事の宅配サービス事業者別の利用割合は、やはり王道の宅配ピザがどの年代でも最も多いですが、続いて出前館の利用割合も高くなっています。またUber Eatsは20代・30代の若年層での利用が多いことが特徴的です。

食事の宅配サービス利用割合

(年代別、食事の宅配サービス利用者あたり)

000267_image4.png緊急事態宣言の発令により、小中学校・高等学校も5月上旬まで休校となるところが多くなりました。子どもが家に毎日いる状況でも、自粛下では出かけたり、外食にも行くのも憚れてしまいます。そのような中でも、ちょっとした楽しみであったり、ちょっと贅沢に食事をしたい気持ちは変わらずあると思います。オンラインキャッシュレス決済を利用した安心な非接触デリバリーにより、食事の宅配サービスによって手軽に外食気分を味わうのはいかがでしょうか。

出典)野村総合研究所 2020年3-4月期シングルソースデータ(関東エリア 20-69歳:N=3,602、宅配サービス利用者N=874)

(林 裕之)