2017年8月29日

おひとりさまの変容~スマホやSNSが後押し、ソロ活という言葉も登場~

「ソロ活」という言葉を知っていますか?ソロ活とは、外出やレジャー、外食ディナーなどの活動をひとりで楽しむことを指す言葉で、数年前から使われ始めました。

従来、「ひとり行動」は「おひとりさま」と表現されていましたが、その「おひとりさま」はミドル~シニアの独身の方の状態を指す言葉としても使われるようになり、ややネガティブな意味合いも含んだ言葉となっていました。

そのようななか、ひとり行動は「ソロ活」といった新たな言葉で表現され始めています。

また、ひとり行動とのスマホ・SNSの関係性も随所で指摘されるようになっています。一例では、大日本印刷が発表している「DNP生活者潮流」では、2017年の生活者トレンドの1つに「SNSが後押しする『ひとり』行動」を挙げています。

以上のように「ひとり行動」の表現や取り巻く環境が変化するなかで、実際にひとり行動に対する考え方はどのように変化しているのでしょうか。

また、スマホやSNSの普及はひとり行動にどれほど影響しているのでしょうか。

これらの2点を調べてみました。

ソロ活に対する抵抗感は低下。むしろ好意的に解釈する人が増加している。

関東エリア在住の消費者に対して、ソロ活やひとり行動に対する考えを尋ねてみたところ、「気楽で良いと思う」「どちらかというと気楽で良いと思う」との回答は5~6割にのぼりました。一方、「抵抗感がある」「どちらかというと抵抗感がある」との回答は1~2割に留まります。年代による比率の違いはあまりありません。

さらに、回答者の記憶に基づくものですが、3年前と比べてソロ活をより好意的に評価するようになった人はすべての年代で増加しています。

そのほか、世帯別でも確認してみたところ、単身世帯だけではなく、夫婦のみの世帯や子どもを持つ世帯でも同様の傾向が見られました。

ひとり行動は、あらゆる年代・世帯構成の人から、ポジティブなものとして受け入れられ始めていると言えそうです。

あなたは、ひとりで遊びに行ったり、レジャーに行ったり、外食ディナーしたりすること、
いわゆる「ソロ活」や「ひとり行動」に対して、どのように思いますか。

(年代別)

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(世帯構成別)

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※サンプル数が少ない20代未満は除外

スマホやSNSなどによって、ソロ活がしやすくなったと思う人は3~4割。ただし、年代によって理由は異なる

次にソロ活とスマホやSNSとの関係性を見てみると、20代では4割強、30代以上では約3割がスマホやSNSがあることでソロ活がしやすくなったと回答しています。

また、ソロ活がしやすくなった理由としては、SNSやチャットアプリでいつでも友人・知人とやり取りできるからという回答が多く、特に20代ではSNSに投稿するネタにできるから、40代50代ではスマホがあることで寂しさや人目が気にならなくなるからという回答も多くなっています。

ソロ活に見られる近年のひとり行動の高まりには、確かにスマホやSNSの普及も影響しているようです。

あなたは、スマホ、SNS、チャットアプリがあることによって、
「ソロ活」や「ひとり行動」がしやすくなったと思いますか。

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あなたは、スマホ、SNS、チャットアプリがあることによって、
「ソロ活」や「ひとり行動」がしやすくなったと思う理由をお答えください。

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※ SNS(Twitter、Facebook、Instagram)、チャットアプリ(LINEなど)

以上で見たように、ひとり行動に対する評価はポジティブなものに変わりつつあり、またひとり行動に対する抵抗感が薄れた背景には、スマホやSNSなどの新しいデバイス・サービスの登場・普及がありそうです。

今後も新しいデバイスやサービスが普及によって、ひとり行動に対する考え方が変化するのかもしれませんね。

出典)野村総合研究所 シングルソースデータ(関東エリア 男女18-69歳:※N数はグラフ中に記載)(野村総合研究所 消費サービス・ヘルスケアコンサルティング部 三好 雄也)