2021年3月23日 最新データから読み解く「NRIマーケティングレポート」
お笑い芸人×デジタル広告は効果的。若年層を狙った仕掛けを
お笑い芸人好きのスマホ世代は、ひと笑いできるデジタル広告を見て買いたくなる
動画広告やSNS広告は、テレビCMよりリーチは小さいが、接触者における効果は高いことが多い。近年は、お笑い芸人が商品に関連したネタを披露するなど、ひと笑いを誘うデジタル広告で、若年層をメインターゲットとした施策を展開する事例が増えている。本レポートでは、芸人×デジタル広告は、本当に若年層に刺さりやすいのかを検証する。
図表1 性年代別・芸人好意度
図表1は、芸人好意度について、「とても好きである」「好きである」と答えた人の割合を性年代別に集計したものである。男女ともに、若年層は芸人への好意度が高いことがわかる。また、男女で比較すると、男性の方がやや好意度が高い。
図表2 デジタル広告の購入意向への効果(14事例平均)
また、芸人が出演しているデジタル広告は、平均より効果が大きい(図表2)。実際の出稿事例で集計したところ、食品・飲料をはじめ、化粧品、金融サービスなど幅広いカテゴリで、芸人出演のデジタル広告は、意向創出などの面で高い効果があった。
デジタル広告は、スマホ世代の若年層に届きやすく、芸人は若年層に人気が高い。すなわち、芸人×デジタル広告は効果が出やすいパターンといえる。
男性には芸人Youtubeチャンネル、女性には芸人Instagramアカウントで仕掛けを
芸人ファンは、どこで芸人の情報を得ているのか。図表3の通り、芸人のチャンネル・アカウントのうち最もフォローされているのはYouTubeであり、次いでTwitterである。
図表3 フォローしている芸人のチャンネル・アカウント
また、性年代による違いも顕著である。男性20~40代向けなら芸人のYouTubeタイアップ動画、女性20~30代向けなら芸人のInstagram投稿がリーチしやすい。一方、芸人のLINEアカウントは、意外にも男女20代にはあまりフォローされていない。
若年層向けに芸人を起用したデジタル広告を出稿する際は、ターゲットの性別に合わせて最適なデジタルメディアを選んで仕掛けることで、より高い広告効果が期待できる。
(注)図表の出所はすべてNRIシングルソースデータ
NRI マーケティングサイエンスコンサルティング部 コンサルタント 中尾麻衣