2021年3月12日
ニュースリリース
「広告効果賞2020」の受賞者を発表
~ 応募230作品から広告により主要な指標の向上に優れた10作品を選出 ~
株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)は、広告効果に優れた広告を表彰する「広告効果賞2020」(以下「本賞」)の受賞者を、本日発表します。2020年1月から12月に広告展開のあった230の応募作品から、購入意向や利用意向、イメージ向上などの主要なKPIが広告によってどの程度向上したかを共通指標により評価。PDCAサイクルによる改善やクロスメディアや新しい取り組みなどの指標を加味し、金賞3作品、銀賞6作品、特別賞1作品を選出しました。
*1 Insight Signal(インサイトシグナル):
Insight Signal(インサイトシグナル):加入企業が行う広告、PRなどのプロモーション施策について、独自に収集するデータを基に、NRIが分析・評価するサービスです。媒体選定、クリエーティブ作成の支援をはじめ、KPI設定やPDCA構築の支援も行います。
*2 シングルソースデータ:
シングルソースデータ:メディア別の広告効果を生活者の視点で評価することを目的に、同一の調査対象者に対して、多様なメディアへの接触状況とともに、商品・サービスの認知や購入意向、購入有無などを調査したデータです。シングルソースデータは、個人が特定される情報ではありません。
広告効果賞とは
広告を行う本来の目的である「ビジネスへの効果」を軸に、商品やサービスに対して生活者が抱く、「利用したい」「購入したい」という意向の向上に効果のあった広告を表彰するものです。NRIでは2017年にこの賞を設け、今回で4回目の表彰です。
シングルソースデータを用いた効果測定の結果をもとに選定
企業の施策と消費者の行動との関係や影響を「見える化」するためのサービス「Insight Signal(インサイトシグナル)*1 」を通じて、NRIは常時、独自にシングルソースデータ*2 を収集しています。そのデータを用いて、広告が消費者に与える行動と心理への影響を測定しました。
測定結果の分析に基づく受賞作品(出稿企業名と対象商品・サービス)と、それぞれの選定理由は、下記のとおりです(各賞別、50音順)。
「広告効果賞2020」各賞受賞作品(敬称略)
金賞
■アサヒ飲料 / カルピスシリーズ
《選定理由》
これまでは、カルピスブランドの配下において、サブブランド(希釈タイプやウオーター)の広告を別々に展開していたが、本年度は4つの製品シリーズの広告を連携させることにより、メッセージやイメージの相乗効果を生むことに成功。ほとんどの指標で昨年の数値を上回った
■NTTソルマーレ / コミックシーモア
《選定理由》
差別化が困難な情報提供型の業界において、クリエーティブのインパクトはもちろん、狙っていた重要なメッセージやイメージを醸成し、広告効果を創出した。過去の効果測定の結果 を生かし、タレントをうまく使いつつも、それだけにならないような工夫をした好事例
■ヤクルト / ヤクルト1000
《選定理由》
ストレス対策や睡眠改善という訴求のため、暗めのトーンかつ固めなクリエーティブとなり、当初は非常に低い認知率であった。しかし作品の構成要素を共通化し、出演者を変えつつシリーズ展開することで認知率が改善。共感する属性を拡大しながら、高い購入意向をもたらし続けている
銀賞
■資生堂 / UNO
《選定理由》
男性の美容意識の高まりを捉え、伝達すべきメッセージを抽出。また、少しずつ主要メッセージも変化させ、広告効果を持続させることにつながった。また、若年男性というテレビでは届きにくい層に対し、SNSなどを活用してデジタルでうまくリーチし、メッセージを強く浸透させた
■第一三共ヘルスケア / トランシーノ
《選定理由》
ターゲットが少し絞られるため、全体での広告認知率はそれほど高くないが、美容液と内服薬の素材を同時期に出稿することでカバー。双方の相乗効果も強くでており効率も良い。また、雑誌、新聞、交通、ウェブと幅広く多メディアで展開したことも、ブランドのイメージ創出に有効であった
■中外製薬 / 企業
《選定理由》
前回はターゲットを特定しすぎたクリエーティブだったため効果が薄かった経験を生かし、明るいトーンで分かりやすいクリエーティブに変更。広告認知率の改善だけでなく、重要なメッセージの伝達に成功。特定のターゲットはもちろん、全体にも効果が幅広くみられた
■東京ガス / 電気
《選定理由》
派手さはないものの、誰に何のメッセージを伝えればよいのかを、過去データから丁寧に読み解き、クリエーティブを制作。「関心の薄い層の開拓」という非常に難しい課題に対し、狙ったとおりの結果を導き出した。ターゲット別の動画素材もそれぞれの共感を生み出すことにつながった
■プロトコーポレーション / グーネット
《選定理由》
テレビCMはかなり振り切った素材ではあったが、男性を中心に想起を大きく高めることに成功。一方、デジタル施策については、利用意向やサイト閲覧といった実利用の指標を押し上げた。クロスメディアの相乗効果も含め、メディアそれぞれの役割をうまく活用した好事例
■ロッテ / ガーナ
《選定理由》
効果が出にくいカテゴリにおいて、クリエーティブを大きく変更。これまでは差別化ポイントが少ないため、情緒的な展開が多かったが、今回改めておいしそうに食べるシズルカットを増やし、純粋に商品の良さ、おいしさを伝えることで、高い効果を創出することができた
特別賞
■ヤクルト / タフマン
《選定理由》
ブランド自体が高年齢化するなか、エナジードリンクのラインアップ追加にあたり若年層におけるイメージアップが急務であった。タレントの変更はもちろん、なまはげというインパクトのあるクリエーティブ展開。さらにはオリジナルのスマホゲームまで作ることで、若年層で「自分ごと化」に成功。購入意向の寄与につなげた