2018年8月23日
シャイニングマンデーは輝くより寝ていたい!?
2018年7月のプレミアムフライデーの実施率は2.7%。2017年3月より微減
さて、経済産業省では「シャイニングマンデー」と称して、月曜日の午前中にお休みの取得を推奨する活動を始めました。継続的に実施されるかはまだわかりませんが、先月の7月30日(月曜日)では経済産業省の職員のうち約3割が取得されたようです。働き方改革の一端として、議論が始まるかもしれませんが、今回のテーマはシャイニングマンデーということで、リサーチしてみましょう。
まず、シャイニングマンデーに入る前に、2017年の2月より導入が始まったプレミアムフライデーについて確認してみましょう。
直近の2018年7月27日のプレミアムフライデーについて、20~69歳の就労者に限定し、実施状況を調査すると以下のようになります。
プレミアムフライデー実施状況(2018年7月27日)
認知率は96%と高いものの、実際に利用したのは2.7%となります。一方、"実施されていない"と"実施されているかどうかもわからない"をたすと85.9%となり、さすがに導入が進んでいるとはいえないようです。
ちなみに、質問方法が少し異なりますが、昨年(2017年3月31日)の第二回プレミアムフライデーの実施結果を見ると、
プレミアムフライデー実施状況(2017年3月31日)
実施状況は3.8%となっていました。そもそも絶対値が小さいですが、実施率は減少しているようで、浸透が進んでいるとはいえそうもありません。
シャイニングマンデーの認知率は約40%
それでは、シャイニングマンデーに話を戻しましょう。まずはシャイニングマンデーの認知率を調査してみました。
シャイニングマンデーの認知率
こちらも、20~69歳の就労者に限定し、集計すると40.4%の方が、認知はしているようです。大きなプロモーションがかかっていない中では、結構な認知率だと思います。就労者の皆さんにとっては、自分ごとであり、関心は高いのでしょう。
では、こちらを職業別に集計してみます。
シャイニングマンデーの認知率(職業別)
実利用については、やはり公務員の方が高いです。一方、経営者やアルバイトの方は認知率も低く、自分ごと化し難いということなのでしょうか。
シャイニングマンデーでやりたいこと。若者は二極化、年齢があがると"やることがない"
続きまして、シャイニングマンデーで月曜日の午前中が休めるとしたら何をしたいのか、を調査してみました。
シャイニングマンデーでやりたいこと(年代別)
最も多いのは"寝る"で、二番目に多いのは"特にない"となるのですが、これを年代別に集計すると、面白い違いがでてきました。
まず、若者で見ると、やはりTOPは"寝る"であり、テレビやビデオを見る、ゲームをする、といったインドア派が多くいらっしゃいます。とはいえ、日曜日の夜中まで遊ぶや、運動やスポーツをする、といったアウトドア派も結構いるようで、若者は二極化されているといえそうです。
一方、年齢があがるにつれ、最も多いのは"特にない"となり、寝るやインターネットする、という項目も増える傾向にあります。年配になるほど、急に月曜日の午前中に休め、といわれても何をしていいのか分からない、というのが実態のようですね。
シャイニングマンデーとプレミアムフライデーでやりたいことに違いはあるのか
それでは、シャイニングマンデーとプレミアムフライデーでやりたいことに違いがあるのか、比較してみましょう。
プレミアムフライデーでやりたいこと(2017年3月31日)
そもそも、夜と朝なので、やりたいことは違うようです。ただ、シャイニングマンデーのおかげで、夜中まで遊ぶや、月曜の朝に帰ってくる旅行にいく、といった回答はそこまで多くないので、経済の活性化、という観点では、プレミアムフライデーのほうが影響は大きそうです。
女性はプレミアム、若年男性はシャイニングを求めている
では、最後に直接的に、シャイニングマンデーがよいのか、プレミアムフライデーがよいのかを質問してみました。
プレミアムフライデーとシャイニングマンデーどちらがよいか
現時点では、シャイニングマンデーより、プレミアムフライデーのほうが、ニーズは高そうです。ただ、どちらともいえない、という方も3割ほどいらっしゃいますので、まだ利用するイメージがついていないということなのでしょう。ではこちらを、性年代別に集計してみると、少し傾向に特徴があるようです。
プレミアムフライデーとシャイニングマンデーどちらがよいか(性年代別)
一言でいうと、「金曜日に早く帰りたい女性」、「月曜日にゆっくり起きたい若年男性」、「何をしてよいのか分からない中年男性」といったところでしょうか。。。
出典)野村総合研究所 2018年7-8月期シングルソースデータ(関東エリア 就労中の男女20-69歳:N=1,879)及び2017年2-3月期シングルソースデータ(関東エリア 就労中の男女20-69歳:N=2,115)(松本 崇雄)